女性が暮らしやすいまち ~女性の安全安心自治体調査~から

2019年の日本のジェンダーギャップ指数(世界経済フォーラム)は153か国中121位で、昨年よりさらに順 位を落とし、過去最低となりました。一昨年2018年には「東京で暮らす女性たち」のおかれた実態を、「非正規雇用単身女性」「子育て女性」「高齢女性」の各テーマでヒアリングを行い、性別による格差を浮き彫りにしました。同時に、各自治体における男女共同参画社会推進の取り組み状況を調査し、ランキング発表することで、どんな施策が進み、どんな施策が足りないのか、客観的に捉え、政策提言につなげました。

6月11日都庁クラブでの記者会見

2019年には、「東京で暮らす女性たちの安全安心プロジェクト」をたちあげ、セクシュアル・ハラスメント (セクハラ)、ドメスティックバイオレンス(DV)、性暴力の3つのテーマで、防止対策、相談支援、被害者支援、予 防教育、研修など、自治体(23区25市)での取り組みを調査し、安心して暮らせるまちづくりに活かしていくこととしました。

今回の調査では葛飾区の人権部 人権課にご協力をいただき、葛飾区の3テーマにおける区の取り組みを知ることができました。ランキング総合では20位、テーマ別のDV対策では3位でした。DVについては、2001年にDV防止法が成立し、各自治体でも取り組みが進められているところですが、 目黒区や野田市の児童虐待事件のように、妻へのDVと子ども虐待との関連について、縦割り行政の中でどこまで対応できているのでしょうか。

コロナ禍では、外出制限により家庭で過ごす時間が増えることで、世界的にドメスティック・バイオレンス(DV)被害が増加し、女性たちが対策の必要性を訴え、日本でも政府が「DV相談+(プラス)」を開始するほか、特別定額給付金の支給への配慮などの対策を打ちだしました。

この調査結果のランキングに目をとらわれがちですが、調査からいかに各自治体の施策が安全安心に暮らすことに繋がっていることかがわかります。女性への暴力根絶のために自治体でできることを掘り起こすことが、実態に即した施策や制度の充実をすすめていくことにつながります。

女性の安全・安心調査概要版

ランキング

参考:2018年生活者ネットGEランキング