葛飾区の国指定重要文化財―恵明寺開山750年記念限定初開帳―

10月11日、葛飾区郷土と天文の博物館講堂において、文化講座「仏像のかたちと歴史-葛飾のほとけを中心に―」が開催されました。講座の担当者からは博物館始まって以来の参加者数(125名)と報告がありました。講師は川村学園女子大学の文学部日本文化学科の眞田尊光教授。葛飾区の文化財保護審議会委員でもあります。

講座では日本に仏教が伝来された経過、飛鳥時代から平安時代までの仏教文化、それぞれの時代の仏像の特徴を系統立てて、学ぶことができました。特に印象に残ったのは一本の木を用いて像の頭から足とその下の台座蓮肉部およびその軸までを彫り出す一木造木彫像でした。木彫像はインドでは白檀でつくられたそうですが、中国や日本では生えていないので、日本では「カヤ」の木の木彫像をつくられています。この一本造木彫像は鑑真一行の影響と考えられています。

 

今回御開帳される亀有・恵明寺の本尊木造不動明王立像は平安時代後期の重要な仏像で現在は国の重要文化財に指定されています。修理により、造られた当時の華麗な彩色と切金模様が出現したそうです。この不動明王とともにある聖観音菩薩立像はカヤ材の一本造で平安時代後期の優美な形をしています。この菩薩像についてはご住職のご協力により、この講座の参加者は直接拝観できました。不動明王の御開帳は10/24~31東京都文化財ウオーク期間中に恵明寺で行われます。ご住職からは重要文化財の保存や維持のための責任の重さと維持のための財政の厳しさについてお話がありました。

 

国でも財政状況が厳しいことから美術館や博物館の収益化、入館料の値上げが打ち出されました。国の文化施設はだれもが文化に触れる機会を提供する「公共財」でもあり、「収益化」に重きが置かれれば、収益性の低い分野の研究や保存や、経済的な理由で国民に触れる機会が減るなど、本来文化がもつ価値が失われることが懸念されています。葛飾区においても、今後区内の文化財を後世に残していくには地域のひとの理解や行政からの支援が欠かせません。まずは区内にある貴重な文化財に目を向けてみませんか。