杉並区の農福連携農園「すぎのこ農園」を見学!

すぎのこ農園は障がい者や高齢者などに農業に親しむ場を提供し、いきがい創出や就労、食育につなげる目的で「農福連携」に取り組んでいます。杉並区は農地として保全していくことが望ましいと考え、東京都の買い取り支援制度を活用して農地として取得しました。運営はJA東京中央に委託されています。

園内は車いすでも農作業ができるよう、バリアフリーの工夫がみられ、育てた野菜は、福祉施設など区内の施設に無償で配布。物価高騰の中で給食などに利用され、施設の運営支援につながっています。年に4回、区民を対象とした収穫体験を実施し、農業に触れる機会が少なくなった都会の子どもたちに農地の大切さを伝える場にもなっています。実際に障がい者が農業の楽しさを知って、就労支援を経て、埼玉で就職につながったというお話も聞きました。今後は区内農家が生産する野菜や福祉施設のお菓子の販売、調理スペースやいろりを使った食育体験イベントや「子ども食堂」としての活用、不登校の子どもたちの支援の場にする計画がされています。

23区の中でも、葛飾区は農業が存続している数少ない区のひとつです。区内農業者世帯数は163世帯、区内にある農地は約34ヘクタール(東京ドーム球場の約7.4倍)です。(葛飾区の農業参照)https://www.city.katsushika.lg.jp/business/1000066/1004931/1005000.html

区内で農業に従事されている方は177人、そのうち女性は79人。40歳以下の方は19人でした。(2020年3月31日時点)

都市農地には地産地消、食育、環境保全、防災機能など、多面的な機能があり、都市農地に対する住民の意識が変わり保全すべきという声が上がるようになりました。

葛飾区に長く住んでいる区民の方は「かつては、緑豊かな田園地帯だった」と話されます。

2022年に生産緑地の期限が切れることから、宅地化がすすみ、農地が減少すると思われましたが、多くの農地が特定生産緑地として維持されました。都市農業振興基本法、農地貸借円滑化法(正式名:都市農地の貸借の円滑化に関する法律)はできましたが、将来的に農地として残すためには積極的に区が農地として取得することも検討すべきだと思います。葛飾区においても農業と福祉を連携した事業など、農地の多面的な機能を生かしていくよう要望していきたいと考えます。

杉並ネットの区議とともに