戦後77年目の終戦の日に平和を考える
今年の終戦の日は戦後から77回目を迎えました。太平洋戦争の戦没者数は310万人といわれ、9割が戦争末期(1944年以降)に犠牲になっており、その6割が餓死や病死だったといわれています。1億玉砕のもと突き進んだ悲惨な結果です。そして、当然のことながら、戦争は多くの被害者とともに加害者をも生み出します。戦争中にどんなことがあったのか、私たちは事実を知る必要があります。太平洋戦争で日本が行ったアジアへの加害の歴史を伝えていくことも大事なことです。戦争を体験した人たちの高齢化がすすむ中、戦争を知らない世代にその戦争体験をどのように伝え、残すことができるのか、喫緊の課題です。
突然2月に始まったロシアによるウクライナへの侵略は、驚きとともに戦争の現実を突きつけ、それまで平和に暮らしていた普通の市民の多くが犠牲になっています。また、ロシアの侵略がきっかけとなり、世界的な食料危機やエネルギー問題などが顕在化。アメリカと中国の対立など国際情勢も緊迫の度合いを増し、世界大戦に拡大する恐れもあるのではという指摘もあります。その影響は日本にも影を落とし、憲法改正や防衛予算の増額、核抑止力など現憲法の理念に逆行するような動きも出てきています。
戦争が始まれば、どんなに市民が戦争に反対の声をあげたくてもできなくなることは言論統制が行われているロシアを見れば明らかです。2度と戦争をしないためには地域から平和をつくり、「戦争放棄」を訴えていくことが大切なことだと考えます。