温暖化対策、「あなたの知らない」私たちにできること
7月15日の学習会で、一般社団法人銀座環境会議代表理事の平野将人さん(写真)から、私たち市民が温暖化対策としてどんなことができるのか。こまめな消灯といった直接的な省エネ行動以外にも、個人で、あるいは力を合わせて、できることにどんなことがあるのか、銀座環境会議の様々な取組みからお話をいただきました。
- 給水スポットのあるまちづくり:Refill 松戸(市民グループ)
のどが渇いたときに、誰もが気軽に使える水飲み場や給水機、マイボトルに無料で水を入れてくれるお店などの「給水スポット」を増やし、利用を広げることで、ペットボトル等の使い捨て容器入り飲料の利用を減らし、環境負荷の低減と魅力的なまちづくりを推進する活動。ペットボトル入りのミネラルウオーターより水道水は環境への負荷は少ない。
- リユース食器の推進
東京都は2025年度までに都主催のイベントにおける使い捨てプラスチックカップの原則使用禁止を目指しています。地域のお祭りやイベントでリユース食器(繰り返し洗って再利用できるプラスチック製のカップや食器)の使用が広がっており、ごみの減量につながっています。問題は洗う場所にあるとのことでした。大学の学食などを画策中。
- 松戸そらぴかプロジェクト
市民が計画し、市民の支援で成り立つ発電所を設置。災害時には、地域の充電ステーションになり、初期費用を電気代で回収したら、譲渡します。21年に「松戸そらぴか発電所第1号」、22年に「柏そらぴか発電所第1号」を設置。柏そらぴか発電所第1号は障がい者施設の屋根に設置し、障がい者施設の支援につながります。現在、柏そらぴか発電所第2号を自立援助ホームの屋根に設置することをすすめています。自立援助ホームは「なんらかの理由で家庭にいられなくなり、働かざるを得なくなった原則として15歳から20歳まで(状況によって22歳まで)の子どもたちに暮らしの場を与える施設」です。自立支援ホームは児童養護施設同様の社会的養護の子ども、若者の施設にもかかわらず、「働いている」ため、児童養護施設がすべて公費で賄われるのに対して、公的支援が薄いのが現状です。
このほか、ベランダソーラー(パネルと鉛電池、パネルとリチウムイオン電池、パネルからコンセントに×2の3つの方法)について。高校生がつくるミライノ食卓では環境負荷が少ない昆虫食やジビエ、ミートフリーマンデー(1日肉を食べない)、気候市民会議(無作為抽出の市民が数回に渡って会議、自治体の施策に反映もあり)、カードゲームを用いたSDGs講座(なぜSDGsが必要なのか?SDGsがあることでどんな変化の可能性がありうるのか、”体感”するゲーム)についてお話しを聞きました。
命の危険を感じるほどの猛暑が続き、特に今年は温暖化の脅威を感じることになったと思います。国連のグテーレス事務総長は「地球沸騰化の時代が到来した」と発言し、リーダーたちが先頭に立ち、気候変動による最悪の事態を回避するには劇的で即座の気候変動対策が不可欠だと呼びかけています。日本は温室効果ガスの排出ゼロ、再生可能エネルギーへ大きく舵をきるために、政府、自治体、市民、企業などが協力して社会や経済の仕組みを抜本的に見直すことが急務です。