憲法とジェンダー

東京・生活者ネットワークシンポジウム2021「 ジェンダー主流化とは何か」~2021都議選候補予定者発表!!

世界経済フォーラムが発表した日本の「ジェンダー・ギャップ指数2021」は昨年よりひとつ上がりましたが、今年も156か国中120位とあいかわらず低迷を続けています。特に政治分野と経済分野におい女性の参画が低いことがその要因です。安倍政権下の2015年女性活躍推進法が成立。「指導的地位に占める女性の割合を2020年までに30%とする」という目標を掲げましたが、達成することはできず、菅政権になって後退してしまいました。そもそも東京では石原知事の誕生により女性蔑視発言からジェンダーバッシングが起こり、政府も追随し「ジェンダー」という言葉が使えない状況がしばらく続いていました。しかし、持続可能な開発目標SDGsのひとつにジェンダー平等の実現が明記されたことで再び「ジェンダー」が復活。さらにアメリカで#Ⅿe Too運動がおこったことがきっかけに日本でも#KoToo、フラワーデモなどこれまで虐げられてきた女性たちが勇気をもって声をあげはじめました。一方コロナ禍で女性へのDV(ドメステイックバイオレンス)や児童虐待の相談件数の増加、貧困に悩むシングルマザー、不安定な非正規雇用によって暮らしが立ち行かない女性たちが増えています。また、昨年の特別定額給付金事業ではジェンダー平等の視点から家父長制の名残がある世帯単位から個人単位に是正するべきでした。選択的夫婦別姓については女性の社会進出がすすみ、価値観の多様化や一人っ子の増加で、結婚前の姓をそのまま使い続けたいと望む人が増えているにもかかわらず、現在の民法は、結婚後は夫婦の名字をどちらかの姓にそろえなければならず、女性が苗字を変える割合は95%以上と、事実上、女性だけを拘束する法律となっています。

日本国憲法施行から74年。第11条には基本的人権、第13条には個人の尊重と幸福追求の権利、第24条には男女平等が謳われています。この条文に基づき、性別に関係なく、根強く残る性別役割分業にとらわれることなく、一人ひとりが尊重され、自分らしく生きていくことができれば、生きづらさや息苦しさを感じない、安心して暮らせる社会になるはずです。6日に国民投票法改正案の採決が予定されているようですが、今こそ、憲法を活かし、人権が守られ、多様な生き方が認められるしくみやジェンダーの視点で見直した法整備が必要です。