ジャン=ポール・ジョー監督作品「世界が食べられなくなる日」上映会を終えて

ジャン=ポール・ジョー監督作品「世界が食べられなくなる日」上映会を終えて 

10月5日、ジャン=ポール・ジョー監督作品「世界が食べられなくなる日」DVD上映会が、葛飾・生活者ネットワークも構成メンバーとして参加する「葛飾区生活クラブ運動グループ地域協議会」の主催で催されました(於:葛飾区市民活動支援センター大会議室)。 

「原子力」と「遺伝子組み換え作物」が与える影響を映したドキュメンタリー

そこには、私たちがここ半世紀を費やして訴え続けてきた2大テーマがあった… 

「世界が食べられなくなる日」公式HPより

「世界が食べられなくなる日」は、食の安全を追求したドキュメンタリー「未来の食卓」「セヴァンの地球のなおし方」などで知られるフランスの映画監督ジャン=ポール・ジョーの新作で、今作には、「原子力」と「遺伝子組み換え作物」という、すでに世界中に拡散され、細胞レベルで体内に蓄積されやすく、人も自然も、あらゆる生命を脅かす危険性のある2つのテクノロジー(=2大スキャンダル)が採りあげられ、その恐るべき実態が映し出されています。 

「世界が食べられなくなる日」公式HPより

場面は、2009年フランス。カーン大学のジル・エリック・セラリーニ教授の研究室。彼の率いる研究班が、遺伝子組み換えトウモロコシ、遺伝子組み換え種子を開発するモンサント社(アメリカミズーリ州に本社をもつ多国籍企業)の農薬:ラウンドアップを散布して栽培した遺伝子組み換え作物をラットに2年間与えたところ、2年が寿命のラットに続々と腫瘍が発症、死亡率が上昇する…など、驚くべき結果がカメラに収められていきます。この実験過程の撮影を

「世界が食べられなくなる日」公式HPより

許可したセラリーニ教授は、20世紀に世界を激変させたテクノロジーが、「核エネルギー」と「遺伝子組み換え技術」だと指摘。「アメリカは、原爆につぎ込んだ金と技術を使って、ヒトゲノムの解析を始めた。そこから遺伝子組み換え技術が誕生したのです」と警告します。 

生活者ネットワークは、36年前の生活者ネット設立当初から「反原発」を基本政策に掲げ、▲今ある原発は段階的に廃炉にし、新規原発はつくらせない、▲使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理は認めない、▲地産地消の再生可能エネルギーを推進する――などを政策に掲げ、原発依存に「断固反対」を貫いてきました。チェルノブイリ原発事故(1986年)による放射能汚染が明らかになり、食への不安が広がった際には、1989年「東京都食品安全条例」制定を求める直接請求運動を展開して55万筆の署名を集めましたが、あの事故から26年目にして、チェルノブイリ級の、あるいはそれを上回る事故が日本で起きてしまった――そういう渦中に、私たちは今、存在していることを、ジョー監督の映像にふれながら深く再確認することになりました。 

日本国内でGMフリーゾーンを宣言する生産者とともに

遺伝子組み換え問題においては、遺伝子組み替え食品いらないキャンペーンなどNGO/NPOや消費者団体、生協運動などと連携し、その技術開発当初から人体への影響や環境汚染源となる技術であることを訴えてきました。2003年5月に計画が浮上した東大農場での「遺伝子組み換えジャガイモ実験栽培」問題では、都議会生活者ネットワークとの連携で計画を中止に追い込むなどの成果をあげてきました。 

原発事故による放射能汚染に加え、国の主権をも揺るがすTPP(=環太平洋戦略的経済連携協定)への参加が決定すれば、すでに世界で最も遺伝子組み換え作物・食品が消費されている日本の食卓は、危険性の高い遺伝子組み換え食品に占拠されることになるでしょう。「食べることは生きること」――。反原発、反TPPはもちろん、反遺伝子組み換え技術、食料自給率の向上と都市農業・有機栽培支援、消費者主権に基づく食品表示の徹底など、食の安全を守るための政策提案と行動をあきらめずに進めなければなりません。 

「福島の悲劇はまだ始まったばかりで、これからもさらなる悲劇が日本で起こり得るのです」――ジョー監督の警告を深く記憶しようと思います。そして、「未来をつくるのは、私たち一人ひとりの市民」であることを、行動をもって示していきましょう。